「自分探しと楽しさについて」を読んだ
線を引いたところ
だいたいにおいて、「それ、君らしくないね」などという言葉は、それをいう人間の思惑どおりではない、というだけの意味で使われる。単に、「そういうの、俺は気に入らない」という言葉と置き換えても良い場合がほとんどだ。p.31
ほかのものに没頭することが、結局は自分を見つめることになる。自分を忘れることが、自分を見つけることになるのである。p.50
道ばかり歩いていると、ついつい、道しか歩けないと思い込んでしまう。道以外も歩けることを、すっかり忘れてしまうのだ。p.63
自分が本当に頑張ったものは、自分にしか評価できない、ということである。p.82
最も基本的な考え方とは、「君と僕の意見は違う。しかし僕は君を認める」という精神なのだ。p.102
かつて、やたらと友人に電話する世代があった。p.112
どの世代だろうか?
「社会」というのは、現実の世界全体ではなく、「他者によって見せられた一部」か、「自分が意識する範囲の局所」でしかない。
社会貢献についてだが、いかなる仕事をしても社会貢献になる。何故かといえば、金を稼げば税金を払うことになるからだ。税金を払うことは、かなり大きな社会貢献といえる。p.128
今が楽しくないのは、ずっと以前に、楽しさの種を蒔かなかったせいだ。楽しさを育てなかった、その結果が今なのだ。p.141
難しいのは、考えることであり、さらに難しいのは、考えすぎないことだ。p.151
自殺が悪いこと、絶対にしてはいけないことだ、とは僕は考えない。だから、自殺した人を殺人者のような犯罪者だとは思わないし、また恥ずかしい行為だとも感じない。だからといって、自殺を全面的に肯定しているわけでは全然ない。できることならば、生きている方が良いように思う。その理由は簡単だ。生から死へはいつでも行けるが、死から生には戻れないからだ。p.153
小説(物語)を読むような人は、言葉の意味を展開しない癖がついているようだから、具体的な例を挙げないと話が通じないことが多い。p.161
楽しさは、恵まれるものではないのだ。p.179
死にたい死にたい、と考えられるのは生きているからである。どうしようどうしよう、と悩めるのは、いろいろな選択肢があるからだ。それは、どうしようもない最悪の状態ではない。ある意味、贅沢で豊かな状況ともいえる。p.185
トータルで約十二時間で書き上げたもので、執筆期間は七日であるp.187
まとめ
実質的思春期に読むべき本で、精神的思春期に読むのもいい本。